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医療法人社団 三樹会 梶木病院
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  ペイン(pain)は「痛み」を意味し、クリニック(clinic)は診療所を意味します。ペインクリニックとは「痛みを治療する外来」と言えます。しかし外来だけでなく、入院治療も行いますので「疼痛治療科」とも呼ばれます。高度先進医療を行う大学病院は「ペインセンター」と称しています。何れにしても基本的には保存的治療を中心とし、痛みの改善による早期の社会復帰やQOL(生活の質)やADL(日常生活動作)の改善を目指します。神経ブロックを中心に治療してきた歴史がありますが薬物治療、理学療法、リハビリテーション等を並行して治療にあたります。原因を問わず痛みで困っている患者さんを専門的に診察・治療する診療科です。
 日本では1960年代に痛みの治療を専門にする治療が麻酔科医を中心にして行われるようになり、ペインクリニック研究会が創られ1985年「日本ペインクリニック学会」に改名されました。以後毎年1回学術大会が開催され現在に至っています。
 1989年より認定医制度が設けられ2006年9月より専門医制度に移行しました。ペインクリニック学会が認定する専門医は現在まで全国で1500人を超え、300以上の認定施設病院があります。当院も認定施設病院です。2007年8月からは「ペインクリニック専門医」の広告が厚生労働省より許可され痛みの治療専門的な診療科として知られてきました。当院も専門医が診療しています。
 国際疼痛学会では痛みはとても不快な感覚であり、不快な情動を伴う体験であるとし、患者さんが痛みを感じればその原因にかかわらず痛みであるとしています。つまり患者さんが痛いと言えば痛いのです。
 元来痛みは警戒信号の意味があり生体(からだ)に怪我や手術などの侵襲が加わった時に生じます。これは有害な事象から生体を守るために必要な急性痛です。この痛みは組織が修復されれば通常改善します。(原因の治療が大切)しかし修復が遅延したり痛み刺激が持続すると痛みが痛みを生む悪循環を引き起こします。この悪循環は慢性痛の原因ともなります。慢性痛は組織の修復が終了しても痛みが続くもので生体にとって何の意義も持たない痛みです。(原因治療より痛みそのものの治療が大切)
 慢性痛にも痛みの原因(急性痛を起こす)が慢性的に続く場合(癌性疼痛、リウマチなど)、元の原因が治癒しているにも関わらず痛み続ける場合(帯状疱疹後神経痛など)、組織の損傷がはっきりしない場合、心因性による場合などがあります。
 痛みを起こした原因が修復されているにも関わらず生じる慢性の痛みに神経障害性疼痛があります。痛みが異常に強かったり、痛みが遷延すると末梢神経や中枢神経の感作(過敏化:感受性の亢進)が原因となり痛みを生じない刺激によっても痛みが出現したり、痛みの増強が起こるためと考えられています。ジンジンする、ビリビリするような異常な感覚も生じます。神経ブロックも効果がないことが多く薬物治療が中心となりますが、交感神経ブロックや脊髄刺激療法が非常に効果を示す場合もあります。
 侵害刺激による知覚神経の興奮は脊髄へ伝わり最終的に脳に伝わります。同時に交感神経の興奮と運動神経の興奮も引き起こし血管収縮と筋緊張の増大を生じます。これらは局所の血流低下を生じ組織の酸素不足を招きます。この事は痛みを引き起こす物質(発痛物質)の生成を促進し、発痛物質が知覚神経を再び刺激する事で更なる痛みを引き起こす悪いサイクルが起こります。これを「痛みの悪循環」と言います。従って痛みは早期に鎮めることが重要です。神経ブロックは(知覚神経や交感神経など)この痛みの悪循環を断つ効果と慢性痛への移行を防ぐ働きを期待するものです。また痛みの原因は主に末梢の組織(神経)から発生しますが脳が痛みを認識する事、更に脳がその痛みを記憶する事からも神経ブロックを始めとする痛み対策は必須と言えます。
 アメリカでは2001年から2010年迄を「痛みの10年」として血圧、体温、脈拍、呼吸、の4つの重要なバイタルサイン(生きてる証)と同等に痛みの評価を第5のバイタルサインとして診療するよう義務付けました。それほどに痛みは重要な事象で、病院や診療所に来られる大きな理由の一つです。痛みを鎮めると病気の原因を診断する妨げになると考えていた時代もありましたが、現在では超音波診断装置、CT,MRI等の進歩で早期に痛みを取りながらの診断が可能であり痛みを我慢する事は良い事ではありません。
 特に慢性痛は生体警告の意味はなく患者さんに不利益を与えるばかりです。痛みは痛みだけでなくQOL、ADLの低下を招きます。痛み以外の要素が増大すると精神的な苦しさもともない「苦痛」になります。それゆえ痛みは少しでも早く軽減する事が大切です。
 痛みの治療の対象となる疾患は
 1)肩こり、五十肩、椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症などの全身の整形外科的疾患による痛み
 2)頭痛、顔面痛、三叉神経痛などの頭頸部痛
 3)神経障害性疼痛(帯状疱疹、帯状疱疹後神経痛、糖尿病性神経障害疼痛、手術後創部痛、
   脊椎手術後疼痛症候群など)
 4)CRPS(複合性局所疼痛症候群)
 5)慢性動脈硬化症、レイノー症状など虚血性疾患や交感神経由来の疼痛
 6)癌性疼痛
 7)その他などがあります。
 痛みを生じる疾患は総て対象です。
 一般の外来と同様に痛みを生じている原因を診断します。問診や理学的検査及び心理テストも行います。必要に応じて血液学的検査やレントゲン検査、CT,MRIなどの検査を行います。
 薬物(内服)治療、神経ブロック、点滴、注射等を駆使して痛みを緩和します。各種電気(低周波、SSP、ニューロテックなど)、レーザー 理学療法(牽引、温熱療法、機能回復訓練)なども適宜行います


 1.薬物治療
 薬物治療は痛みの治療の基本です。痛み止め(NSAID)は炎症を鎮める作用があり急性痛によく使われます。炎症が主体ではない慢性痛では抗うつ薬、抗けいれん薬が強い鎮痛作用を示し薬物治療の主役です。筋弛緩薬、抗不安薬などの内服も用います。癌性疼痛に使用される麻薬は強力な鎮痛作用があり非癌性の慢性疼痛にも使用します。特に帯状疱疹後神経痛、脊髄手術後疼痛症候群などの神経障害性疼痛には抗うつ薬、抗てんかん薬、麻薬が効果を期待できます。


 2.神経ブロック治療
 神経ブロックとは神経に薬物や熱を作用させ一時的にまたは永久的に痛み信号を遮断(ブロック)する方法です。通常は末梢神経(脳脊髄神経や交感神経節)に直接または近くに局所麻酔薬を浸潤させ神経の活動を一時停止させ痛みを鎮める方法です。麻酔薬の作用時間が切れると神経は元に戻ります。効果が一時的であったり長期の除痛を図る場合は神経破壊薬(アルコール、フェノール)や高周波熱凝固を行います。
 神経ブロックの意義
 1)知覚神経ブロックによる除痛効果
 2)交感神経ブロックによる血流改善効果
 3)運動神経ブロックによる筋弛緩効果
 などがあり痛みの悪循環を断つ効果が期待できます。限局した部位、範囲に選択的に効果を発揮できる事も特色の一つです。

 主に外来で行う神経ブロック
 トリガーポイント、硬膜外ブロック(頸部、胸部、腰部、仙骨)肋間神経ブロック、三叉神経末梢枝ブロック、坐骨神経ブロック、傍脊髄神経ブロック、肩甲上神経ブロック、膝関節・肩関節に対する関節内ブロック、星状神経節ブロックなどがあります。
 透視室・CTガイド下・手術室で行う神経ブロック
 大腰筋筋溝ブロック、頸部・胸部・腰部椎間関節ブロック、神経根ブロック、仙腸関節ブロック

 入院を必要とする神経ブロック
 胸部・腰部交感神経節ブロック、高周波熱凝固法、内臓神経ブロック(腹腔神経叢ブロック、上・下腹神経叢ブロックなど)、硬膜外脊髄刺激電極の挿入などがあります。


 3.理学療法(リハビリテーション)
 腰痛や頸部痛などの痛みに対し、当院では整形外科やリハビリテーション科と連帯し積極的に理学療法やリハビリテーションを取り入れています。
 間欠牽引法は、ストレッチ効果とマッサージ効果が得られ、ホットパックを用いた温熱療法は、血管の拡張による局所血流の増加を図り、ストレッチ・体操療法・筋肉増強訓練などの運動療法を加えることにより、なお一層痛みの改善に効果があります。

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